説明

2−アリールメチルアゼチジン・カルバペネム誘導体及びその製造方法

【課題】 優れた抗菌活性を有しながらMRSA及びQRS等の耐性菌による感染の治療に使うことができるカルバペネム誘導体の提供。
【解決手段】 化学式(I)の2−アリールメチルアゼチジン・カルバペネム誘導体又はこれの薬剤学的に許容可能な塩はグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し広範囲な抗菌活性を示し、メチシリン耐性菌株(MRSA)及びキノロン耐性菌株(QRS)に対し大変優れた抗菌活性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して広範囲な抗菌効果を奏し、メチシリン耐性ブドウ状球菌(Methicillin Resistant Staphylococcus Aureus,MRSA)及びキノロン耐性菌株(QRS)を初めとする耐性菌にも優れた抗菌活性を示す2−アリールメチルアゼチジン・カルバペネム誘導体、その製造方法及びそれを含む抗生剤組成物に関するものである。
【従来技術】
【0002】
1940年代に初めて臨床で用いられてからペニシリンは感染性疾患から多くの命を救った奇跡の薬として知られてきた。ところが、暫くしてこれに対し耐性を有するブドウ状球菌が登場した。1960年代に入っては半合成ペニシリンであるメチシリンが開発されペニシリン耐性ブドウ状球菌による感染性疾患の治療に使われ、1973年にはセファゾリンが開発された。しかし、以後メチシリン耐性ブドウ状球菌(MRSA)及びセファゾリン耐性菌株が発生し、これらに対してセファロスポリン、キノロン、カルバペネム、モノバクタム及びグリコシド等を含む数多くの耐性菌用の抗生剤が開発されてきた。それでもペニシリン耐性肺炎球菌、MRSA及びその他抗生剤耐性菌などが次々と世界各地で問題を起している。
【0003】
従って、グラム陽性菌やグラム陰性菌だけでなく耐性菌に対し抗菌活性を有する新しい抗生剤の開発が要求されている。最近は2−アリールカルバペネム化合物(L−695256及びL−742728,MERCK)がMRSA、VRSA及びVREに対して良い活性を示すと報告されている(Hugh rosenら、Sciences,703(1999))。また、国際公開第WO99/62906号には2−ベンゾチアゾルエテニルカルバペネムがMRSAに対して良い活性を示すと報告されており、その他の抗MRSA活性を示すカルバペネム系抗生剤が多数報告されている。例えば、イミペネム(imipenem)とメロペネム(meropenem)は弱度の耐性を有するMRSAによる感染を治療するのに効果的である。
【0004】
従って、本発明者らはグラム陽性菌及びグラム陰性菌に対し広範囲に抗菌活性を示し、MRSAのような耐性菌による感染の治療に使用できる抗生剤を開発するため努力してきた。
【特許文献1】国際公開第WO99/62906号
【非特許文献1】Hugh rosenら、Sciences,703(1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は優れた抗菌活性を有しながらMRSA及びQRS等の耐性菌による感染の治療に使うことができるカルバペネム誘導体を提供することである。
【0006】
本発明の他の目的は前記カルバペネム誘導体の製造方法を提供することである。
【0007】
本発明のもう他の目的は前記カルバペネム誘導体を活性成分として含む抗生剤組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明によれば、下記化学式(I)の2−アリールメチルアゼチジン・カルバペネム誘導体又はその薬剤学的に許容可能な塩を提供する:
【化4】

【0009】
前記式で、
は水素又はCアルキル、Cアルコキシ、ヒドロキシル、アミン、アルキルアミン、アルキルチオール、トリフルオロメチル及びハロゲンからなる群から選ばれた1つ以上の置換体であり、
は水素又はCアルキルである。
【0010】
また、本発明の他の目的を達成するため、本発明では前記カルバペネム誘導体の製造方法及び前記カルバペネム誘導体又はその薬剤学的に許容可能な塩を活性成分として含有する抗生剤組成物を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、優れた抗菌活性を有しながらMRSA及びQRS等の耐性菌による感染の治療に使うことができるカルバペネム誘導体を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0013】
本発明の化学式(I)の化合物の望ましい例は次の通りである:
カリウム(1R,5S,6S)−2−(1−ベンジル−アゼチジン−3−イル−チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(4−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(3−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(2−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(3,4−ジメトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(4−クロロベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[(1−(4−フルオロベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(3−トリフルオロメチルベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−{1−[(1R)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−{1−[(1S)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(4−メチルベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;及び
カリウム(1R,5S,6S)−2−{1−[1−(4−ブロモフェニル)エチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート。
【0014】
本発明の2−アリールメチルアゼチジン・カルバペネム誘導体は次の段階を含む方法により製造することができる:
(a)下記化学式(II)の化合物及び化学式(III)の化合物を縮合反応させて化学式(IV)のカルバペネムエステル誘導体を製造する段階;及び
(b)化学式(IV)の化合物からカルボキシル保護基及び任意のヒドロキシル保護基を除去する段階。
【化5】

【0015】
前記式で、
及びRは前記で定義した通りであり、
は水素又はヒドロキシル保護基であり、
はカルボキシル保護基である。
【0016】
前記方法で、ヒドロキシル保護基としてtert−ブチルジメチルシリル及びトリエチルシリル基のような通常のヒドロキシル保護基を、カルボキシル保護基としてはp−ニトロベンジル、アリル及びp−メトキシベンジル基のような通常のカルボキシル保護基を用いることができる。
【0017】
化学式(II)のp−ニトロベンジル−2−ジフェニルホソホリル−6−tert−ブチルジメチルシリルオキシエチル−1−メチル−2−カルバペネム−3−カルボキシラート(R=tert−ブチルジメチルシリル、R=p−ニトロベンジル)及び化学式(III)の1−アリルメチル−3−メルカプト−アゼチジン誘導体の縮合反応は当分野で公示の方法に従って行うことができる。
【0018】
例えば、化学式(III)の化合物を無水有機溶媒(例えばアセトニトリル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン又はアセトン、好ましくはアセトニトリル)に溶解し、−20℃〜0℃に冷却する。これにN,N−ジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンをゆっくり加え、化学式(II)の化合物を加える。前記混合物を−20℃〜0℃で2時間〜4時間攪拌した後、通常的な方法で生成物を分離して化学式(IV)の化合物を製造することができる。
【0019】
このように得られた化学式(IV)の化合物からヒドロキシル保護基(R)及びカルボキシル保護基(R)を通常の方法を用いて順次除去するが、ヒドロキシル基が保護されない場合にはカルボキシル保護基のみ除去して化学式(I)の化合物を製造することができる。
【0020】
例えば、トリエチルシリルヒドロキシル保護基(R)及びカルボキシル保護基(R)を順次除去する場合、テトラヒドロフランと水の混合物(4:1(V:V))に化学式(IV)の化合物を溶解させてから、1M当量のトリフルオロ酢酸水溶液を加えて常温で30〜60分間攪拌することによりヒドロキシル保護基を除去することができる。次いで、Rがp−ニトロベンジル基である場合、触媒水素化反応で除去することができ、Rがアリル基である場合には化学式(IV)の化合物を有機酸又はその塩(例えば、酢酸、2−エチルヘキサン酸及びこれらのナトリウム又はカリウム塩)の存在下でトリフェニルホスフィン又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムと反応させて除去することができる。
【0021】
このように得られた反応物を逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製してから、凍結乾燥して非結晶性固体状態の化学式(I)化合物を得ることができる。
【0022】
本発明で用いられた化学式(III)の化合物は下記反応式(I)に従って製造できる。
【化6】

【0023】
前記反応式で、
及びR2は前記で定義した通りである。
【0024】
具体的には、芳香族アミン類(化学式(V)の化合物)とエピクロロヒドリンを有機溶媒に加え、この混合物を24〜48時間攪拌し、固体状の生成物を濾過して化学式(VI)の化合物を製造する。化学式(VI)の化合物とN−トリメチルシリルアセトアミドを有機溶媒の中で3〜5時間加熱し、得られた生成物を減圧蒸留して化学式(VII)の化合物を製造する。前記反応で使用可能な有機溶媒としてはエチルエーテル、石油エーテル及びリグロインが挙げられ、石油エーテルが好ましい。
【0025】
このように得られた化学式(VII)の化合物をアセトニトリル、テトラヒドロフラン及びメチレンクロライド、好ましくはアセトニトリルのような有機溶媒に溶解させる。それにトリエチルアミン及びジイソプロピルエチルアミン、好ましくはトリエチルアミンのような有機塩基を加えた後、この混合物を3〜5日間還流して化学式(VIII)の化合物を製造する。化学式(VIII)の化合物をメタノール及びエタノール、好ましくはメタノールのようなアルコールに溶解させてから、ナトリウムメトキシド、水酸化リチウム及びカリウムtert−ブトキシド、好ましくはナトリウムメトキシドのような塩基を加える。この混合物を常温で30分〜1時間攪拌し化学式(IX)の化合物を製造してから、ミツノブ反応を行って化学式(X)の化合物を製造することができる。具体的に、無水テトラヒドロフランに溶解させたトリフェニルホスフィン溶液にジイソプロピルアゾジカルボキシラートを加え、0℃で1時間反応させる。これにチオ酢酸と化学式(IX)の化合物を加え、常温で2〜4時間反応させて化学式(X)のチオアセテート誘導体を製造する。
【0026】
化学式(X)の化合物をアルコール中で通常の塩基(例:2N水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム)で処理して加水分解することにより化学式(III)のチオール化合物を製造した後、これを精製せずにそのまま化学式(IV)の化合物製造に使用する。
【0027】
本発明の化学式(I)の化合物はグラム陽性菌及びグラム陰性菌に広範囲に抗菌活性を示し、ペニシリン耐性肺炎球菌、MRSA、QRS及びバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対しても優れた抗菌活性を示す。
【0028】
従って、本発明では活性成分として化学式(I)のカルバペネム誘導体又はその薬剤学的に許容可能な塩を薬剤学的に許容可能な担体と共に含んでいる抗生剤組成物を提供する。
【0029】
本発明の薬学組成物は活性成分である化学式(I)の化合物を組成物の総重量を基準に0.1〜75重量%、好ましくは1〜50重量%で含有する。
【0030】
本発明の薬学組成物は多様な経口又は非経口投与することができる。経口投与用剤形としては錠剤、丸薬、硬・軟質ゼラチンカプセル、液剤、懸濁液、乳化剤、シロップ、散剤などがあり、これら剤形は希釈剤(例:乳糖、デキストロース、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース及びグリシン)、ルブリカンツ(例:シリカ、タルク、ステアリン酸及びそのマグネシウム又はカルシウム塩及びポリエチレングリコール)等を含有することができる。また錠剤はマグネシウム・ケイ酸・アルミニウム、澱粉ペースト、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシルメチルセルロース及びポリビニルピロリジンのような結合剤を含有することができる。錠剤は澱粉、寒天、アルギン酸又はそのナトリウム塩のような崩壊剤、混合物や吸収剤、着色剤、香料剤及び甘味剤を追加的に含有することもできる。
【0031】
また、代表的な非経口投与用剤形としては注射用剤形、好ましくは等張液性水溶液又は懸濁液がある。
【0032】
前記組成物は滅菌及び/又は防腐剤、安定化剤、水化剤又は油化促進剤、浸透圧調節のための塩又は緩衝剤などの補助剤及びその他治療に有用な物質を含有することができる。組成物は混合、粒剤及びコーティングのような通常的な方法で製剤化できる。
【0033】
化学式(I)の化合物又はこれの薬剤学的に許容可能な塩の一般的な服用量は人間を含む哺乳動物に対し一日2.5〜100mg/kg(体重)、好ましくは5〜60mg/kg(体重)であり、一日一回〜数回経口的又は非経口的経路を通じて投与することができる。
【0034】
以下、下記製造例及び実施例によって本発明をより詳細説明する。但し、下記製造例及び実施例は本発明の一例であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0035】
製造例1〜12:1−置換ベンジルアミノ−3−クロロプロパン−2−オールの製造
【化7】

【0036】
製造例1:1−ベンジルアミノ−3−クロロプロパン−2−オール
エピクロロヒドリン(39Ml,0.5mol)とベンジルアミン(54.6Ml,0.5mol)を石油エーテル(500ml)に溶かし、常温で48時間攪拌した後濾過した。生成した固体をトルエン(50ml)に溶解させ、ノルマルヘキサン(500ml)を加えて結晶型の目的物を43%収率で得た。
【0037】
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.76(m,2H)、3.55(d,J=5.3Hz,2H)、3.81(s,2H)、3.86(m,1H)、7.32(m,5H)。
【0038】
以下、製造例2〜12び化合物をそれぞれ出発物質を用いて製造例1と同じ方法で製造した。
【0039】
製造例2:1−クロロ−3−(4−メトキシベンジルアミノ)プロパン−2−オール
収率53.4%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.79(m,2H)、3.55(d,J=5.4Hz,2H)、3.76(s,2H)、3.80(s,3H)、3.91(m,1H)、6.86(d,J=8.4Hz,2H)、7.24(d,J=8.4Hz,2H)。
【0040】
製造例3:1−クロロ−3−(3−メトキシベンジルアミノ)プロパン−2−オール
収率48.7%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.78(m,2H)、3.56(d,J=5.5Hz,2H)、3.79(s,2H)、3.81(s,3H)、3.86(m,1H)、6.82(m,3H)、7.21(m,1H)。
【0041】
製造例4:1−クロロ−3−(2−メトキシベンジルアミノ)プロパン−2−オール
収率50.8%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.71(m,2H)、3.51(d,J=5.9Hz,2H)、3.79(s,2H)、3.84(s,3H)、3.86(m,1H)、6.90(m,2H)、7.21(m,2H)。
【0042】
製造例5:1−クロロ−3−(3,4−ジメトキシベンジルアミノ)プロパン−2−オール
収率38.6%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.71(m,2H)、3.49(d,J=5.5Hz,2H)、3.92(m,9H)、6.80(m,3H)。
【0043】
製造例6:1−クロロ−3−(4−クロロベンジルアミノ)プロパン−2−オール
収率45.3%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.78(m,2H)、3.58(d,J=5.3Hz,2H)、3.78(s,2H)、3.88(m,1H)、7.28(m,4H)。
【0044】
製造例7:1−クロロ−3−(4−フルオロベンジルアミノ)プロパン−2−オール
収率34.4%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.78(m,2H)、3.57(d,J=5.3Hz,2H)、3.79(s,2H)、3.90(m,1H)、7.01(m,2H)、7.29(m,2H)。
【0045】
製造例8:1−クロロ−3−(3−トリフルオロメチルベンジルアミノ)プロパン−2−オール
収率50.8%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.79(m,2H)、3.60(d,J=5.3Hz,2H)、3.87(m,3H)、7.50(m,4H)。
【0046】
製造例9:1−クロロ−3−[(1R)−1−フェニルエチルアミノ]プロパン−2−オール
収率76.2%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ1.39(d,J=6.5Hz,3H)、2.60(m,2H)、3.51(m,2H)、3.79(m,2H)、7.31(m,5H)。
【0047】
製造例10:1−クロロ−3−[(1S)−1−フェニルエチルアミノ]プロパン−2−オール
収率76.2%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ1.39(d,J=6.5Hz,3H)、2.61(m,2H)、3.51(m,2H)、3.80(m,2H)、7.32(m,5H)。
【0048】
製造例11:1−クロロ−3−(4−メチルベンジルアミノ)プロパン−2−オール
収率48%;
H NMR(300MHz,CDCl):δ2.24(bs,2H)、2.34(s,3H)2.67〜2.86(m,2H)、3.55(d,J=5.4Hz,2H)、3.77(d,J=1.8Hz,2H)、3.88(m,1H)、7.13(d,J=8.1Hz,2H)、7.18(d,J=8.1Hz,2H)。
【0049】
製造例12:1−クロロ−3−[1−(4−ブロモフェニル)エチルアミノ]プロパン−2−オール
収率75%;
H NMR(300MHz,CDCl):δ1.34(d,J=6.6Hz,3H)2.58(m,2H)3.52(m,2H)、3.73(m,J=5.1Hz,1H)、4.12(dd,1H)、7.15(m,2H)、7.41(m,2H)。
【0050】
製造例13〜24:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−置換アリールアミンの製造
【化8】

【0051】
製造例13:1−ベンジル−(3−クロロ−2−トリメチルシリル−プロピル)−アミン
製造例1で得た1−ベンジルアミノ−3−クロロプロパン−2−オール(42.2g,0.21mol)を石油エーテル(700ml)に溶かし、N−(トリメチルシリル)アセトアミド(30.5g,0.23mol)を加えて3時間環流攪拌した。生成した固体を濾過して除き、濾液を減圧下で濃縮して目的物54g(収率:95%)を得た。
【0052】
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.51(s,9H)、3.08(m,2H)、3.78(s,2H)、3.80(m,2H)、7.33(m,5H)。
【0053】
以下、製造例14〜24の化合物を製造例2〜12で製造した化合物をそれぞれ出発物質として製造例13と同じ方法で製造した。
【0054】
製造例14:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−(4−メトキシベンジル)アミン
収率97%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.15(s,9H)、2.71(m,2H)、3.56(m,2H)、3.74(s,2H)、3.80(s,3H)、3.96m、1H)、6.85(d,J=8.6Hz,2H)、7.23(d,J=8.4Hz,2H)。
【0055】
製造例15:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−(3−メトキシベンジル)アミン
収率97.3%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.15(s,9H)、2.75(m,2H)、3.52(m,2H)、3.77(s,2H)、3.81(s,3H)、3.95(m,1H)、6.80(m,1H)、6.88(m,2H)、7.26(m,1H)。
【0056】
製造例16:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−(2−メトキシベンジル)アミン
収率86.7%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.14(s,9H)、2.69(m,2H)、3.52(m,2H)、3.79(s,2H)、3.83(s,3H)、3.98(m,1H)、6.89(m,2H)、7.21(m,2H)。
【0057】
製造例17:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−(3,4−ジメトキシベンジル)アミン
収率93.2%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.15(s,9H)、2.71(m,2H)、3.55(m,2H)、3.75(s,2H)、3.87(s,3H)、3.88(s,3H)、3.97(m,1H)、6.83(s,2H)、6.89(s,1H)。
【0058】
製造例18:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−(4−クロロベンジル)アミン
収率90.7%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.14(s,9H)、2.72(m,2H)、3.56(m,2H)、3.77(s,2H)、3.94(m,3H)、7.27(m,4H)。
【0059】
製造例19:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−(4−フルオロベンジル)アミン
収率90.7%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.14(s,9H)、2.71(m,2H)、3.53(m,2H)、3.76(s,2H)、3.95(m,1H)、7.04(m,2H)、7.28(m,2H)。
【0060】
製造例20:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−(3−トリフルオロメチルベンジル)アミン
収率98%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.15(s,9H)、2.78(m,2H)、3.58B(m,2H)、3.87(s,2H)、3.95(m,1H)、7.50(m,3H)、7.60(s,1H)。
【0061】
製造例21:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−[(1R)−1−フェニルエチル]アミン
収率97%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.14(s,9H)、1.35(d,J=6.5Hz,3H)、2.58(m,2H)、3.52(m,2H)、3.75(m,1H)、3.91(m,1H)、7.29(m,5H)。
【0062】
製造例22:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−[(1S)−1−フェニルエチル]アミン
収率97%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.14(s,9H)、1.35(d,J=6.5Hz,3H)、2.58(m,2H)、3.55(m,2H)、3.71(m,1H)、3.88(m,1H)、7.30(m,5H)。
【0063】
製造例23:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−(4−メチルベンジル)アミン
収率94%;
H NMR(300MHz,CDCl):δ0.14(s,9H)、2.32(s,3H)2.65〜2.79(m,2H)、3.44〜3.59(m,2H)、3.74(s,2H)、3.94(m,1H)、7.10(d,J=7.8Hz,2H)、7.18(d,J=7.8Hz,2H)。
【0064】
製造例24:(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシプロピル)−[1−(4−ブロモフェニル)エチル]アミン
収率95%(段階2);
H NMR(300MHz,CDCl):δ0.15(s,9H)、1.31(d,J=6.6Hz,3H)2.45〜2.67(m,2H)、3.39〜3.52(m,2H)、3.70(m,J=5.1Hz,1H)、3.88(m,1H)、7.19(d,J=6.3Hz,2H)、7.42(d,J=6.9Hz,2H)。
【0065】
製造例25〜36:1−置換ベンジル−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジンの製造
【化9】

【0066】
製造例25:1−ベンジル−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
製造例13で合成した1−ベンジル−(3−クロロ−2−トリメチルシリルオキシ−プロピル)アミン(2.15g,7.91mmol)をアセトニトリル(10ml)に溶解し、トリエチルアミン(1.54Ml,11.07mmol)を添加してから3日間環流攪拌した後、常温に冷却した。生成した固体を濾過して除去し、濾液を減圧下で濃縮して目的物1.8g(収率:96%)を得た。
【0067】
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.09(s,9H)、3.08(m,2H)、3.78(s,2H)、3.80(m,2H)、4.50(m,1H)、7.33(m,5H)。
【0068】
以下、製造例26〜36の化合物を製造例14〜24で製造した化合物をそれぞれ出発物質として製造例25と同じ方法で製造した。
【0069】
製造例26:1−(4−メトキシベンジル)−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
収率98.4%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.08(s,9H)、2.86(m,2H)、3.56(s,2H)、3.61(m,2H)、3.78(s,3H)、4.41(m,1H)、6.84(d,J=8.8Hz,2H)7.17(d,J=8.8Hz,2H)。
【0070】
製造例27:1−(3−メトキシベンジル)−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
収率88%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.08(s,9H)、2.98(m,2H)、3.61(s,2H)、3.65(m,2H)、3.80(s,3H)、4.41(m,1H)、6.82(m,3H)7.23(m,1H)。
【0071】
製造例28:1−(2−メトキシベンジル)−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
収率89%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.09(s,9H)、2.93(m,2H)、3.62(s,3H)、3.81(m,4H)、3.78(s,3H)、4.41(m,1H)、6.83(m,2H)7.21(d,J=7.3Hz,2H)。
【0072】
製造例29:1−(3,4−ジメトキシベンジル)−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
収率85.1%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.09(s,9H)、2.88(m,2H)、3.58(s,2H)、3.60(m,2H)、3.86(s,3H)、3.87(s,3H)、4.20(m,1H)、6.79(s,2H)6.82(s,1H)。
【0073】
製造例30:1−(4−クロロベンジル)−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
収率95%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.08(s,9H)、2.82(m,2H)、3.57(s,2H)、3.80(m,2H)、4.40(m,1H)、7.21(m,4H)。
【0074】
製造例31:1−(4−フルオロベンジル)−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
収率90%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.08(s,9H)、2.82(m,2H)、3.56(s,2H)、3.59(m,2H)、4.40(m,1H)、6.97(m,2H)、7.23(m,2H)。
【0075】
製造例32:1−(3−トリフルオロメチルベンジル)−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
収率91%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.09(s,9H)、2.90(m,2H)、3.61(m,4H)、4.42(m,1H)、7.43(m,4H)。
【0076】
製造例33:1−[(1R)−1−フェニルエチル]−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
収率31%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.08(s,9H)、1.24(d,J=6.5Hz,3H)、2.70(t,J=6.9Hz,1H)、2.88(t,J=6.9Hz,1H)、3.29(m,2H)、3.78(m,1H)、4.39(m,1H)、7.31(m,5H)。
【0077】
製造例34:1−[(1S)−1−フェニルエチル]−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
収率41%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ0.08(s,9H)、1.24(d,J=6.5Hz,3H)、2.70(t,J=6.9Hz,1H)、2.88(t,J=6.9Hz,1H)、3.31(m,2H)、3.78(m,1H)、4.38(m,1H)、7.28(m,5H)。
【0078】
製造例35:1−(4−メチルベンジル)−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
収率75%;
H NMR(300MHz,CDCl):δ0.10(s,9H)、2.32(s,3H)2.94(m,2H)、3.62(s,2H)、3.69(m,2H)、4.43(m,1H)、7.10(d,2H)、7.18(d,2H)。
【0079】
製造例36:1−[1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン
収率78%;
H NMR(300MHz,CDCl):δ0.10(s,9H)、1.19(d,J=6.6Hz,3H)、2.77(m,1H)、2.86(m,1H)、3.25(dd,J=6.6Hz,J=12.9Hz,1H)、3.41(m,1H)、3.66(m,1H)、4.41(m,J=5.7Hz,1H)、7.18(d,J=13.2Hz,2H)、7.44(d,J=13.2Hz,2H)。
【0080】
製造例37〜48:1−置換ベンジル−アゼチジン−3−オールの製造
【化10】

【0081】
製造例37:1−ベンジル−アゼチジン−3−オール
製造例25で合成した1−ベンジル−3−トリメチルシリルオキシ−アゼチジン(1.8g,7.65mmol)をメタノール(9ml)に溶かし、ナトリウムメトキシド(826mg,15.29mmol)を添加してから常温で30分間攪拌した。減圧下で溶媒を蒸発させ除去し、残留物を酢酸エチルで抽出した。有機層を水で洗浄し、無水マグネシウム硫酸塩で乾燥した後、減圧下で濃縮して目的物0.964g(収率:77%)を得た。
【0082】
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.95(m,2H)、3.61(m,4H)、4.42(m,1H)、7.27(m,5H)。
【0083】
以下、製造例38〜48の化合物を製造例26〜36で製造した化合物をそれぞれ出発物質として製造例37と同じ方法により得た。
【0084】
製造例38:1−(4−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−オール
収率100%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.91(m,2H)、3.53(s,2H)、3.57(m,2H)、3.78(s,3H)、4.41(m,1H)、6.83(d,J=9.0Hz,2H)、7.15(d,J=8.4Hz,2H)。
【0085】
製造例39:1−(3−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−オール
収率42%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.99(m,2H)、3.60(s,2H)、3.63(m,2H)、3.80(s,3H)、4.41(m,1H)、6.83(m,3H)、7.21(m,1H)。
【0086】
製造例40:1−(2−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−オール
収率53%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.99(m,2H)、3.63(s,2H)、3.63(m,2H)、3.80(s,3H)、4.39(m,1H)、6.87(m,2H)、7.26(d,J=7.3Hz,2H)。
【0087】
製造例41:1−(3,4−ジメトキシベンジル)−アゼチジン−3−オール
収率40%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.91(m,2H)、3.54(s,2H)、3.58(m,2H)、3.85(s,3H)、3.86(s,3H)、4.41(m,1H)、6.78(s,2H)、6.81(s,1H)。
【0088】
製造例42:1−(4−クロロベンジル)−アゼチジン−3−オール
収率66%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.91(m,2H)、3.57(s,2H)、3.60(m,2H)、4.41(m,1H)、7.22(m,2H)。
【0089】
製造例43:1−(4−フルオロベンジル)−アゼチジン−3−オール
収率61%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.91(m,2H)、3.57(s,2H)、3.58(m,2H)、4.43(m,1H),7.03(m,2H)、7.23(m,2H)。
【0090】
製造例44:1−(3−トリフルオロメチルベンジル)−アゼチジン−3−オール
収率64%;
H NMR(200MHz,CDCl):δ2.98(m,2H)、3.69(m,4H)、4.49(m,1H)、7.44(m,4H)。
【0091】
製造例45:1−[(1R)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−オール
収率59%;
H NMR(200MHz,CDCl):1.25(d,J=6.5Hz,3H)、2.90(m,2H)、3.38(m,2H)、3.70(m,1H)、4.40(m,1H)、4.78(bs,1H)、7.27(m,5H)。
【0092】
製造例46:1−[(1S)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−オール
収率63%;
H NMR(200MHz,CDCl):1.25(d,J=6.5Hz,3H)、2.90(m,2H)、3.38(m,2H)、3.71(m,1H)、4.40(m,1H)、4.50(bs,1H)、7.27(m,5H)。
【0093】
製造例47:1−(4−メチルベンジル)−アゼチジン−3−オール
収率65%;
H NMR(300MHz,CDCl):δ2.32(s,3H)2.92(m,2H)、3.53(m,4H)、4.38(m,1H)、7.09(s,4H)。
【0094】
製造例48:1−[1−(4−ブロモフェニル)エチル]−アゼチジン−3−オール
収率61%;
H NMR(300MHz,CDCl):δ1.19(d,J=6.6Hz,3H)、2.76(m,1H)、2.88(m,1H)、3.24(dd,J=6.6Hz,J=12.9Hz,1H)、3.37(m,1H)、3.69(m,1H)、4.40(m,J=5.7Hz,1H)7.15(d,J=13.2Hz,2H)7.41(d,J=13.2Hz,2H)。
【0095】
製造例49〜60:1−置換ベンジル−3−アセチルチオ−アゼチジンの製造
【化11】

【0096】
製造例49:1−ベンジル−3−アセチルチオ−アゼチジン
トリフェニルホスフィン(3.08g,11.76mmol)を無水テトラヒドロフラン(30ml)に溶かし、窒素ガスを通過させて溶液内の酸素を完全に除いてから、0℃に冷却した。これにジイソプロピルエチルアミンアゾジカルボキシラート(2.3Ml,11.76mmol)を加えた後、0℃で1時間攪拌した。この混合物にチオ酢酸(840μl、11.76mmol)及びテトラヒドロフラン(20ml)に溶かした製造例37で合成した1−ベンジル−アゼチジン−3−オール(960mg,5.88mmol)をゆっくり加えた。この溶液を常温で2時間攪拌し、減圧濃縮して溶媒を除去した。得られた濃縮物を酢酸エチルに溶かしてから水で洗浄し、無水マグネシウム硫酸塩で乾燥し、減圧下で濃縮した。残余物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ノルマルヘキサン=1/1)で精製して目的物1.1g(収率:83%)を得た。
【0097】
H NMR(200MHz,CDCl):2.31(s,3H)、3.10(m,2H)、3.61(s,2H)、3.70(m,2H)、4.15(m,1H)、7.26(m,5H)。
【0098】
以下、製造例50〜60の化合物を製造例38〜48で製造した化合物をそれぞれ出発物質として製造例49と同じ方法で製造した。
【0099】
製造例50:1−(4−メトキシベンジル)−3−アセチルチオ−アゼチジン
収率83%;
H NMR(200MHz,CDCl):2.27(s,3H)、3.05(m,2H)、3.53(s,2H)、3.66(m,2H)、3.77(s,3H)、4.12(m,1H)、6.81(d,J=8.8Hz,2H)、7.17(d,J=8.8Hz,2H)。
【0100】
製造例51:1−(3−メトキシベンジル)−3−アセチルチオ−アゼチジン
収率100%;
H NMR(200MHz,CDCl):2.29(s,3H)、3.08(m,2H)、3.59(s,2H)、3.71(m,2H)、3.80(s,3H)、4.15(m,1H)、6.81(m,3H)、7.21(m,1H)。
【0101】
製造例52:1−(2−メトキシベンジル)−3−アセチルチオ−アゼチジン
収率33%;
H NMR(200MHz,CDCl):2.29(s,3H)、3.12(m,2H)、3.64(s,2H)、3.76(m,2H)、3.81(s,3H)、4.18(m,1H)、6.89(m,2H)、7.26(d,J=7.5Hz,2H)。
【0102】
製造例53:1−(3,4−ジメトキシベンジル)−3−アセチルチオ−アゼチジン
収率59%;
H NMR(200MHz,CDCl):2.29(s,3H)、3.07(m,2H)、3.55(s,2H)、3.69(m,2H)、3.85(s,3H)、3.88(s,3H)、4.18(m,1H)、6.78(s,2H)、6.81(s,1H)。
【0103】
製造例54:1−(4−クロロベンジル)−3−アセチルチオ−アゼチジン
収率88%;
H NMR(200MHz,CDCl):2.29(s,3H)、3.08(m,2H)、3.57(s,2H)、3.68(m,2H)、4.13(m,1H)、7.21(m,4H)。
【0104】
製造例55:1−(4−フルオロベンジル)−3−アセチルチオ−アゼチジン
収率30.7%;
H NMR(200MHz,CDCl):2.30(s,3H)、3.11(m,2H)、3.60(s,2H)、3.71(m,2H)、4.14(m,1H)、7.03(m,2H)、7.22(m,2H)。
【0105】
製造例56:1−(3−トリフルオロメチルベンジル)−3−アセチルチオ−アゼチジン
収率20%;
H NMR(200MHz,CDCl):2.30(s,3H)、3.11(m,2H)、3.67(s,2H)、3.72(m,2H)、4.18(m,1H)、7.49(m,4H)。
【0106】
製造例57:1−[(1R)−1−フェニルエチル]−3−アセチルチオ−アゼチジン
収率20%;
H NMR(200MHz,CDCl):1.21(d,J=6.5Hz,3H)、2.28(s,3H)、2.99(t,J=7.3Hz,2H)、3.29(q,J=6.5Hz,1H)、3.52(t,J=7.3Hz,1H)、3.72(t,J=7.3Hz,1H)、4.09(qint、J=6.5Hz,1H)、7.25(m,5H)。
【0107】
製造例58:1−[(1S)−1−フェニルエチル]−3−アセチルチオ−アゼチジン
収率20%;
H NMR(200MHz,CDCl):1.20(d,J=6.5Hz,3H)、2.28(s,3H)、2.99(t,J=7.3Hz,2H)、3.29(q,J=6.5Hz,1H)、3.52(t,J=7.3Hz,1H)、3.72(t,J=7.3Hz,1H)、4.09(qint、J=6.9Hz,1H)、7.27(m,5H)。
【0108】
製造例59:1−(4−メチルベンジル)−3−アセチルチオ−アゼチジン
収率54%;
H NMR(300MHz,CDCl)δ2.32(s,3H)2.59(s,3H)、3.08(m,2H)、3.58(s,2H)、3.69(m,2H)、4.12(m,1H)、7.10(d,4H)。
【0109】
製造例60:1−[1−(4−ブロモフェニル)エチル]−3−アセチルチオ−アゼチジン
収率69%;
H NMR(300MHz,CDCl):δ1.18(d,J=6.6Hz,3H)、2.28(s,3H)、2.98(br、2H)、3.26(dd,J=6.6Hz,J=12.9Hz,1H)、3.50(t,1H)、3.68(t,1H)、4.08(m,J=5.7Hz,1H)、7.15(d,J=13.2Hz,2H)、7.39(d,J=13.2Hz,2H)。
【0110】
製造例61〜72:1−置換ベンジル−アゼチジン−3−チオールの製造
【化12】

【0111】
製造例61:1−ベンジル−アゼチジン−3−チオール
製造例49で合成した1−ベンジル−3−アセチルチオ−アゼチジン(1g,4.518mmol)をメタノール(20ml)に溶かし、窒素ガスを通して溶液内の酸素を完全に除去した。この溶液を0℃に冷却し、2N水酸化ナトリウム(2.27Ml,4.518mmol)をゆっくり加えてから、0℃で30分間攪拌し、2N塩酸を加えて中和(pH=7)した。この溶液を減圧下で濃縮し、濃縮物を酢酸エチルに溶かしてから飽和塩水で洗浄した。有機層をマグネシウム硫酸塩で乾燥し、減圧下で濃縮して目的物620mg(収率:77%)を得た。この物質は精製せずにそのまま次の反応に使用した。
【0112】
以下、製造例62〜72の化合物を製造例50〜60で製造した化合物をそれぞれ出発物質として製造例61と同じ方法により修得した。
【0113】
製造例62:1−(4−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−チオール
収率93%
製造例63:1−(3−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−チオール
収率100%
製造例64:1−(2−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−チオール
収率83%
製造例65:1−(3,4−ジメトキシベンジル)−アゼチジン−3−チオール
収率100%
製造例66:1−(4−クロロベンジル)−アゼチジン−3−チオール
収率80%
製造例67:1−(4−フルオロベンジル)−アゼチジン−3−チオール
収率98%
製造例68:1−(3−トリフルオロメチルベンジル)−アゼチジン−3−チオール
収率90%
製造例69:1−[(1R)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−チオール
収率99%
製造例70:1−[(1S)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−チオール
収率67%
製造例71:1−(4−メチルベンジル)−アゼチジン−3−チオール
収率80%
製造例72:1−[1−(4−ブロモフェニル)エチル]−アゼチジン−3−チオール
収率88%。
【0114】
実施例1〜12:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−置換ベンジル−アゼチジン−3−イル−チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
【化13】

【0115】
実施例1:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−ベンジル−アゼチジン−3−イル−チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
製造例61で製造した1−ベンジル−アゼチジン−3−チオール(620mg,3.46mmol)をアセトニトリル(20ml)に溶かし、−20℃〜−10℃に冷却した。窒素気流下でジイソプロピルエチルアミン(733μl、4.21mmol)と4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(ジフェニルホソホリルオキシ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−エステルカルボキシラート(2.09g,3.51mmol)を前記混合物に加え、−20℃〜−10℃で2時間攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽出し抽出物を水で洗浄してから飽和塩水で洗浄した後、無水マグネシウム硫酸塩で乾燥し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/メタノール=10/1)で精製し目的物720mg(収率:40%)を得た。
【0116】
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.21(d,J=7.3Hz,3H)、1.36(d,J=6.1Hz,3H)、3.12(m,2H)、3.22(m,2H)、3.63(s,2H)、3.77(m,2H)、3.97(m,1H)、4.20(m,2H)、5.36(q,J=13.8Hz,53.3Hz,2H)、7.28(m,5H)、7.67(d,J=8.9Hz,2H)、8.23(d,J=8.9Hz,2H)。
【0117】
以下実施例2〜12の化合物を製造例62〜72で製造した化合物をそれぞれ出発物質として実施例1と同じ方法により得た。
【0118】
実施例2:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(4−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
収率32%;
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.20(d,J=7.3Hz,3H)、1.34(d,J=6.1Hz,3H)、3.10(m,2H)、3.24(m,2H)、3.55(s,2H)、3.69(m,2H)、3.78(s,3H)、3.92(m,1H)、4.19(m,2H)、5.36(q,J=13.8Hz,53.3Hz,2H)、6.84(d,J=8.5Hz,2H)、7.16(d,J=8.5Hz,2H)、7.65(d,J=8.7Hz,2H)、8.22(d,J=8.7Hz,2H)。
【0119】
実施例3:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(3−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
収率34%;
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.20(d,J=6.9Hz,3H)、1.37(d,J=6.1Hz,3H)、3.14(m,2H)、3.22(m,2H)、3.60(s,2H)、3.75(m,2H)、3.80(s,3H)、3.97(m,1H)、4.21(m,2H)、5.38(q,J=13.8Hz,52.9Hz,2H)、6.80(m,3H)、7.21(m,1H)、7.67(d,J=8.5Hz,2H)、8.24(d,J=8.5Hz,2H)。
【0120】
実施例4:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(2−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
収率42%;
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.21(d,J=7.3Hz,3H)、1.36(d,J=6.1Hz,3H)、3.21(m,4H)、3.65(s,2H)、3.81(m,6H)、4.01(m,1H)、6.88(m,2H)、7.21(m,2H)、7.67(d,J=8.3Hz,2H)、8.23(d,J=8.1Hz,2H)。
【0121】
実施例5:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(3,4−ジメトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
収率27%;
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.21(d,J=7.3Hz,3H)、1.35(d,J=6.3Hz,3H)、3.08(m,2H)、3.22(m,2H)、3.56(s,2H)、3.74(m,2H)、3.85(s,3H)、3.87(s,3H)、3.99(m,1H)、4.20(m,2H)、5.38(q,J=13.8Hz,53.5Hz,2H)、6.78(s,3H)、7.66(d,J=9.0Hz,2H)、8.22(d,J=8.8Hz,2H)。
【0122】
実施例6:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(4−クロロベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
収率12%;
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.22(d,J=7.5Hz,3H)、1.36(d,J=6.3Hz,3H)、3.11(m,2H)、3.25(m,2H)、3.58(s,2H)、3.72(m,2H)、3.95(m,1H)、4.20(m,2H)、5.35(q,J=13.6HZ,54.1Hz,2H)、7.21(m,4H)、7.64(m,2H)、8.21(d,J=8.7Hz,2H)。
【0123】
実施例7:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[(1−(4−フルオロベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
収率56%;
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.19(d,J=7.1Hz,3H)、1.34(d,J=6.1Hz,3H)、3.07(m,2H)、3.21(m,2H)、3.57(s,2H)、3.73(m,2H)、3.95(m,1H)、4.21(m,2H)、5.38(q,J=13.8HZ,53.7Hz,2H)、6.98(m,2H)、7.19(m,2H)、7.65(d,J=9.0Hz,2H)、8.22(d,J=9.0Hz,2H)。
【0124】
実施例8:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(3−トリフルオロメチルベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
収率36%;
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.23(d,J=7.3Hz,3H)、1.37(d,J=6.5Hz,3H)、3.17(m,2H)、3.22(m,2H)、3.68(s,2H)、3.74(m,2H)、4.00(m,1H)、4.21(m,2H)、5.49(q,J=13.8HZ,53.7Hz,2H)、7.51(m,4H)、7.67(d,J=8.9Hz,2H)、8.25(d,J=9.0Hz,2H)。
【0125】
実施例9:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−{1−[(1R)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
収率36%;
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.20(d,J=7.3Hz,3H)、1.22(J=6.1Hz,3H)、1.35(d,J=6.5Hz,3H)、2.96(t,J=7.1Hz,1H)、3.09(t,6.7Hz,1H)、3.22(m,2H)、3.31(m,1H)、3.47(m,1H)、3.88(m,2H)、4.09(m,3H)、5.38(q,J=13.8HZ,54.3Hz,2H)、7.25(m,5H)、7.66(d,J=9.0Hz,2H)、8.23(d,J=9.0Hz,2H)。
【0126】
実施例10:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−{1−[(1S)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
収率25%;
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.20(d,J=7.3Hz,3H)、1.22(J=6.2Hz,3H)、1.35(d,J=6.5Hz,3H)、3.01(m,2H)、3.31(m,3H)、3.50(m,1H)、3.82(m,2H)、4.21(m,2H)、4.21(m,3H)、5.38(q,J=13.8HZ,78.0Hz,2H)、7.67(d,J=8.7Hz,2H)、8.23(d,J=8.7Hz,2H)。
【0127】
実施例11:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−[1−(4−メチルベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
収率35%;
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.21(d,J=7.3Hz,3H)、1.35(d,J=6.5Hz,3H)、2.32(s,3H)、3.11(q,J=7.3Hz,2H)、3.22(m,2H)、3.58(s,2H)、3.78(m,2H)、3.98(m,1H)、4.18(m,2H)、5.39(q,J=13.8HZ,52.9Hz,2H)、7.12(s,4H)、7.66(d,J=8.5Hz,2H)、8.23(d,J=9.0Hz,2H)。
【0128】
実施例12:4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−{1−[1−(4−ブロモフェニル)エチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル
収率43%;
H NMR(200MHz,CDCl)δ1.21(m,6H)、1.36(d,J=6.5Hz,3H)、2.98(m,3H)、3.11(q,J=7.3Hz,2H)、3.22(m,2H)、3.58(s,2H)、3.78(m,2H)、3.98(m,1H)、3.05(m,1H)、3.23(m,3H)、3.44(m,1H)、3.81(m,2H)、4.20(m,2H)、5.37(q,J=13.4HZ,53.3Hz,2H)、7.16(d,J=8.1Hz,2H)、7.44(d,J=8.5Hz,2H)、7.66(d,J=9.0Hz,2H)、8.23(d,J=8.5Hz,2H)。
【0129】
実施例13〜24:カリウム(1R,5S,6S)−2−(1−置換ベンジル−アゼチジン−3−イル−チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラートの製造
【化14】

【0130】
実施例13:カリウム(1R,5S,6S)−2−(1−ベンジル−アゼチジン−3−イル−チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
実施例1で製造した4−ニトロベンジル(1R,5S,6S)−2−(1−ベンジル−アゼチジン−3−イル−チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボン酸エステル(70mg,0.133mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶かし、リン酸カリウム(potassium phosphate)緩衝溶液(pH=7、2ml)及び触媒として10%パラジウム/炭素(20mg)を添加した。水素気流下(水素風船使用)常温で3時間攪拌後、触媒を濾過して除去し、減圧下で濾液を濃縮した。残余物に水を少量加えてから酢酸エチルで洗浄して不純物を除去し、水層をC18逆相カラムMPLC(溶離液:水及び10%アセトニトリル水溶液)で精製した後、生成物を含む溶離液分を集め冷凍乾燥して目的物14mg(収率:27%)を得た。
【0131】
H NMR(300MHz,DO)δ0.98(d,J=6.9Hz,3H)、1.12(d,J=6.1Hz,3H)、3.01(m,1H)、3.22(m,1H)、3.73(m,2H)、4.02(m,3H)、4.10(s,2H)、4.17(m,2H)、7.16(m,5H)。
【0132】
以下実施例14〜24を実施例2〜12で製造した化合物をそれぞれ出発物質として実施例13と同じ方法により修得した。
【0133】
実施例14:カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(4−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
収率24%;
H NMR(300MHz,DO)δ1.07(d,J=7.2Hz,3H)、1.21(d,J=6.3Hz,3H)、3.08(m,1H)、3.35(m,1H)、3.77(s,2H)、3.86(m,3H)、4.07(m,2H)、4.18(s,3H)、4.33(m,2H)、7.33(d,J=8.6Hz,2H)。
【0134】
実施例15:カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(3−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
収率15%;
H NMR(300MHz,DO)δ0.99(d,J=6.9Hz,3H)、1.13(d,J=6.5Hz,3H)、3.00(m,1H)、3.23(m,1H)、3.69(s,3H)、3.81(m,2H)、4.08(m,3H)、4.16(s,2H)、4.29(m,2H)、6.89(m,3H),7.26(m,1H)。
【0135】
実施例16:カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(2−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
収率32%;
H NMR(300MHz,DO)δ0.84(d,J=7.1Hz,3H)、0.99(d,J=6.3Hz,3H)、2.90(m,1H)、3.10(m,1H)、3.19(m,2H)、3.56(s,3H)、3.62(s,2H)、3.72(m,3H)、3.86(d,J=7.4Hz,1H)、3.92(t,J=6.2Hz,1H)、6.76(m,2H),7.00(d,J=7.4Hz,1H)、7.11(t,J=8.3Hz,1H)。
【0136】
実施例17:カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(3,4−ジメトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
収率24%;
H NMR(300MHz,DO)δ0.99(d,J=7.3Hz,3H)、1.13(d,J=6.1Hz,3H)、3.63(m,2H)、3.71(s,6H)、3.98(s,2H)、4.04(m,5H)、6.87(bs,3H)。
【0137】
実施例18:カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(4−クロロベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル)−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
収率11%;
H NMR(300MHz,DO)δ0.99(d,J=6.9Hz,3H)、1.15(d,J=6.5Hz,3H)、3.08(m,3H)、3.21(m,1H)、3.53(s,2H)、3.58(m,2H)、3.80(m,1H)、4.01(m,1H)、7.14(d,J=8.1Hz,2H)、7.27(d,J=8.1Hz,2H)。
【0138】
実施例19:カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(4−フルオロベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
収率36%;
H NMR(300MHz,DO)δ1.17(d,J=7.3Hz,3H)、1.31(d,J=6.1Hz,3H)、3.20(m,1H)、3.41(m,1H)、3.69(m,2H)、4.07(s,2H)、4.18(m,5H)、7.20(m,2H)、7.40(m,2H)。
【0139】
実施例20:カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(3−トリフルオロメチルベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
収率58%:
H NMR(300MHz,DO)δ0.99(d,J=6.9Hz,3H)、1.14(d,J=6.5Hz,3H)、3.16(m,2H)、3.21(m,2H)、3.65(m,4H)、3.82(m,1H)、4.00(m,1H)、4.08(m,1H)、7.40(m,2H)、7.53(m,2H)。
【0140】
実施例21:カリウム(1R,5S,6S)−2−{1−[(1R)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
収率58%:
H NMR(300MHz,DO)δ0.83(d,J=7.2Hz,3H)、0.98(d,J=6.3Hz,3H)、1.12(d,J=6.5Hz,3H)、2.87(t,J=7.4Hz,1H)、3.11(m,1H)、3.32(m,2H)、3.85(m,6H)、7.15(m,5H)。
【0141】
実施例22:カリウム(1R,5S,6S)−2−{1−[(1S)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
収率49%:
H NMR(300MHz,DO)δ0.83(d,J=7.2Hz,3H)、0.98(d,J=6.3Hz,3H)、1.12(d,J=6.5Hz,3H)、2.87(t,J=7.4Hz,1H)、3.11(m,1H)、3.32(m,2H)、3.85(m,6H)、7.15(m,5H)。
【0142】
実施例23:カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(4−メチルベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
収率29%:
H NMR(300MHz,DO)δ0.99(d,J=6.9Hz,3H)、1.13(d,J=6.1Hz,3H)、2.18(s,3H)、3.04(t,J=7.2Hz,1H)、3.23(m,1H)、3.61(m,2H)、4.01(m,7H)、7.13(m,4H)。
【0143】
実施例24:カリウム(1R,5S,6S)−2−{1−[1−(4−ブロモフェニル)エチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート
収率43%;
H NMR(300MHz,DO)δ0.84(d,J=7.2Hz,3H)、1.16(d,J=6.3Hz,3H)、1.18(d,J=6.5Hz,3H)、2.98(m,2H)、3.17(m,1H)、3.43(m,2H)、3.72(m,2H)、3.91(m,2H)、4.08(m,1H)、7.04(d,J=8.1Hz,2H)、7.28(d,J=8.1Hz,2H)。
【0144】
テスト例1:最小成長抑制濃度(Minimum Inhibitory Concentration,MIC)測定
前記実施例で製造した本発明の化合物のグラム陽性菌、グラム陰性菌、MRSA及びQRSに対する抗菌活性を次のようにテストした。
【0145】
各菌株を3mlの肉類抽出物培養液(牛肉抽出物1%、ペプトン1%、NaCl0.3%、NaHPO・12HO0.2%、pH7.4−7.5及び化膿連鎖球菌(Streptococcus pyogenes)及びストレプトコッカス・ヘシウム(S.facium)の場合は10%馬の血清が追加される)に接種して37℃で18時間培養した。2倍率で希釈されたテスト化合物(0.002〜100μg/ml)を含むミュラー・ヒントン(Muller−Hinton)寒天培地で前記の培養された約10CFU/spotの菌株を自動接種機(Dynatech、米国)を用いて接種し37℃で18時間培養した。培養が完了した後、最小成長抑制濃度(Minimum Inhibitory Concentration,MIC)を測定し、その結果を下記表1及び表2に示す。標準抗生剤としてはメロペネム((株)柳韓洋行、韓国)とバンコマイシン((株)CJ、韓国)をそれぞれ使用した。
【表1】

【表2】

【0146】
前記表1及び2に示した通り、本発明のカルバペネム誘導体は標準菌株であるグラム陽性菌及びグラム陰性菌及び耐性菌株であるMRSA及びQRSに対し標準抗生剤(メロペネム及びバンコマイシン)より優れた抗菌活性を示すことが分かる。
【0147】
テスト例2:動物内薬物動力学実験
本発明のカルバペネム誘導体の薬物動力学をマウスを使って測定した。実施例13及び14で製造した化合物とメロペネム(陽性対照群)を蒸留水に溶解してから40mg/kg体重の用量でマウス(I.C.R.系マウス、体重22〜25g,4匹/グループ)に皮下注射又は経口投与した後10分、20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間が経過してからヘパリン処理された毛細管を使ってマウスの尻尾からそれぞれ採血した。
【0148】
標準抗生剤試料は対照血液で2倍率で希釈させ製造した。6.7%の羊血液及び1%の群溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)77Aの培養液を含むミュラー・ヒントン培地で寒天プレートを製造し、希釈された標準試料及び血液試料をプレートのウェルに添加した。プレートを4℃で1時間保管して試料を良く分散させてから37℃で18時間培養した。マウスの血中に存在する薬物濃度の薬物動力学変化指標(AUC、Tmax、Cmax及びT1/2)を分析し、その結果を下記表3に示した。
【表3】

【0149】
前記表3に示されたように、実施例13及び14の化合物はメロペネムに比べAUC値が10〜12倍高く血中半減期が2倍以上増加し、メロペネムとは異なり経口投与した場合にも相当量が吸収された。従って、本発明の化合物は薬物動力学的に大変優れた物質である。
【0150】
次いで、前記と同じ方法でラット(rat)を使った薬物動力学テスト(薬物投与量は20mg/kg)を実施しその結果を表4に示した。
【表4】

【0151】
前記表4に示されたように、実施例14の化合物はラットでもメロペネムに比べAUC数値が17倍ほど高く血中半減期が2倍以上増加しており、メロペネムとは異なり経口投与した場合にも相当量吸収された。従って、本発明の化合物はラットに於いても薬物動力学的に優れた物質であることが分かる。
【0152】
テスト例3:感染動物モデルを利用した保護用量(Protection Dose;PD50)決定
菌株の致死用量(LD100)を決定するために、群溶血性レンサ球菌77Aとエシェリキア・コリ078をそれぞれ10〜10倍希釈した。各菌液のコロニー形成単位(CFU)を計算しこれをマウスの腹腔に投与してから、7日後マウスの死亡率を調査した。3〜4週齢のSPFICR雄マウスを一つの群に8〜10匹ずつ割り当てて4群に分け、実験前24時間絶食させた。群溶血性レンサ球菌77Aとエシェリキア・コリ078の菌液をLD100の2〜10倍に濃縮させ、濃縮された群溶血性レンサ球菌77Aは10%の馬血清と混合し、エシェリキア・コリ078は5%の豚胃ムチン(hoggastricmucin)と混合してから、各群のマウス腹腔内に注射して全身感染を誘導した。
【0153】
感染1時間後、段階的に希釈された5種濃度の実施例14の化合物又はメロペネムを感染されたマウスの腹腔に注射した。生理食塩水を注射した対照群のマウスは48時間以内に全部死亡し、抗生物質を投与した群で生存したマウスの数を調べ、プロビット(Probit)法においてPD50及び95%信頼区間を定めてその結果を表5に示す。
【表5】

【0154】
前記表5に示されたように、実施例14の化合物はメロペネムより群溶血性レンサ球菌又はエシェリキア・コリ菌に対して一層効果的である。
【0155】
テスト例4:ジヒドロペプチダーゼ−1(DHP−1)に対する感受性実験
豚の腎臓から抽出したDHP−1酵素による本発明の化合物の分解速度を次のように測定した。
【0156】
実施例13〜24の化合物(テスト物質)とメロペネム及びイミペネム((株)Choongwae pharma,対照物質)をそれぞれ0.3mgずつ取り500μg/Ml濃度になるよう50mMのMOPS緩衝溶液に溶かした。この溶液に0.2単位(unit)の酵素を加えて30℃で反応させてから、残存薬物の吸光度を299nmで測定し分解速度を決定した。ここでは、0、0.5、1、2、4時間単位で吸光度を測定し、回帰分析において薬物の濃度が半分になる時間であるT1/2値を得た。メロペネムの半減期を1.0として相対的T1/2値を計算してその結果を表6に示す。
【表6】

【0157】
前記表6に示されたように、本発明の化合物は標準物質より加水分解速度が低く、特に実施例16及び22の化合物は非常に優れた安定性を示した。従って、本発明の化合物はDHP−1酵素によって早く分解するカルバペネム抗生剤の短所を克服できる有用な薬物である。
【0158】
テスト例5:急性毒性実験
実施例14の化合物に対する急性毒性をそれぞれ10匹のI.C.R.系マウスを用いて観察した。500mg/kg,1,000mg/kg及び2,000mg/kgの量の薬物を各群のマウス腹腔内に注入投与後、7日間にわたって体温変化・体重変化・死亡等を観察した。テスト結果、死亡・体温変化及び体重減少は全く観察されなかった。従って、LD50は2,000mg/kg以上であるので、実施例14の化合物は毒性が無い物質であることを確認した。
【0159】
以上、本発明を上記の具体的な実施形態に関して記述したが、添付された特許請求範囲において定義された本発明の範囲内で当分野の熟練者が本発明を多様に変形及び変化させられることを理解しなければならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式(I)の2−アリールメチルアゼチジン・カルバペネム誘導体又はその薬剤学的許容可能な塩:
【化1】

前記式で、
は水素又はCアルキル、Cアルコキシ、ヒドロキシル、アミン、アルキルアミン、アルキルチオール、トリフルオロメチル及びハロゲンからなる群から選ばれた1つ以上の置換体であり、
は水素又はCアルキルである。
【請求項2】
下記化合物からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の2−アリールメチルアゼチジン・カルバペネム誘導体又はその薬剤学的に許容可能な塩:
カリウム(1R,5S,6S)−2−(1−ベンジル−アゼチジン−3−イル−チオ)−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(4−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(3−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(2−メトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(3,4−ジメトキシベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(4−クロロベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[(1−(4−フルオロベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(3−トリフルオロメチルベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−{1−[(1R)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−{1−[(1S)−1−フェニルエチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;
カリウム(1R,5S,6S)−2−[1−(4−メチルベンジル)−アゼチジン−3−イル−チオ]−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート;及び
カリウム(1R,5S,6S)−2−{1−[1−(4−ブロモフェニル)エチル]−アゼチジン−3−イル−チオ}−6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]−1−メチルカルバペン−2−エム−3−カルボキシラート.
【請求項3】
(1)下記化学式(II)の化合物と下記化学式(III)の化合物を縮合反応させて下記化学式(IV)のカルバペネムエステル誘導体を製造する段階、及び
(2)下記化学式(IV)の化合物でカルボキシル保護基及び任意のヒドロキシル保護基を除去する段階を含む、
下記化学式(I)の2−アリールメチルアゼチジン・カルバペネム誘導体又はその薬剤学的に許容可能な塩の製造方法:
【化2】

前記式で、
は水素又はCアルキル、Cアルコキシ、ヒドロキシル、アミン、アルキルアミン、アルキルチオール、トリフルオロメチル及びハロゲンからなる群から選ばれた1つ以上の置換体であり、
は水素又はCアルキルであり、
は水素又はヒドロキシル保護基である、
はカルボキシル保護基である。
【請求項4】
前記段階1の縮合反応を化学式(II)の化合物と化学式(III)の化合物を有機溶媒中でジイソプロピルエチルアミン又はトリエチルアミンの存在下で−20℃〜0℃で2〜4時間反応させることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記有機溶媒がアセトニトリル、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン及びアセトンからなる群から選ばれることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
化学式(III)の化合物を下記段階を含む方法により製造することを特徴とする請求項3に記載の方法:
1)下記化学式(V)の化合物とエピクロロヒドリンを有機溶媒中で室温で24〜48時間攪拌して下記化学式(VI)の化合物を製造する段階;
2)前記化学式(VI)の化合物とN−トリメチルシリルアセトアミドを有機溶媒中で3〜5時間加熱して下記化学式(VII)の化合物を製造する段階;
3)前記化学式(VII)の化合物を有機溶媒中で有機塩基存在下で3〜5日間加熱環流して下記化学式(VIII)の化合物を製造する段階;
4)前記化学式(VIII)の化合物をアルコールに溶解し、アルカリ塩基を加えて常温で30分〜1時間攪拌して下記化学式(IX)の化合物を製造する段階;
5)前記化学式(IX)の化合物をミツノブ反応させて下記化学式(X)の化合物を製造する段階;及び
6)前記化学式(X)の化合物をアルコール中で水酸化ナトリウム水溶液を加えて加水分解させて化学式(III)の化合物を製造する段階
【化3】

前記式で、
及びRは請求項3に定義した通りである。
【請求項7】
前記段階1)及び2)で用いられる有機溶媒が石油エーテル、エチルエーテル又はリグロインであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記段階3)で用いられる有機溶媒がアセトニトリル、テトラヒドロフラン又はメチレンクロライドであり、有機塩基がトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記段階4)で用いられるアルコールがメタノール又はエタノールであり、アルカリ塩基がナトリウムメトキシド、水酸化リチウム又はカリウムtert−ブトキシドであることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項10】
有効成分として請求項1の化学式(I)のカルバペネム誘導体又はその薬剤学的に許容可能な塩を薬剤学的に許容可能な担体と共に含有する抗生剤組成物。

【公表番号】特表2007−532693(P2007−532693A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−509390(P2007−509390)
【出願日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【国際出願番号】PCT/KR2005/000509
【国際公開番号】WO2006/025634
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(591199338)コリア リサーチ インスティチュート オブ ケミカル テクノロジー (16)
【氏名又は名称原語表記】KOREA RESEARCH INSTITUTE OF CHEMICAL TECHNOLOGY
【Fターム(参考)】